①医療機器として認定されているかどうか

  『補聴器』とは、補聴器メーカーが厚生労働省に申請し、正式に医療機器として認定されているものです。

『補聴器』は薬事法で定められた管理医療機器として指定されているので、効果や安全性などについて一定の基準をクリアする必要があります。 そして個別の製品ごとに正式な認定を受けなければ製造販売はできません。

また、消費者保護の観点からも、対面販売が義務付けられています。
そういった厳しい制約や条件の下で製造・販売されていますので効果や安全性はもちろん信頼性があります。
 一方、『集音器』は医療機器ではありません。
 医療機器である『補聴器』に対し、『集音器』は音響機器という全く違うカテゴリーの製品なのです。

②どんな人を対象としているか

補聴器』は薬事法で定められた管理医療機器に指定されており、「聞こえ」が低下してきた人や不自由な人(難聴者)が使用する為に開発されています。

例えば騒音の中で言葉を聞き取りやすくする機能、必要以上に大きな音で耳に影響が出ないようにする機能、ハウリングを防止する機能など、聞こえのサポートに必要な性能・機能が搭載されています。
  一方、『集音器』は医療機器ではないため、製造や販売する上での制約もなく難聴の人の使用する為のさまざまな機能は搭載されていません。

一般的には正常な聴力の人や非常に軽い難聴の人向けにつくられているものが多いのです。

③使う人に合わせた調整が可能か

 聴力がどの程度低下しているのか、どんな音が聞きにくいのか・・・。聞こえの程度は人によってさまざまです。その人の聞こえの状態をしっかり把握し、その人に合わせて細かく調整します。どの周波数の音が聞き取りにくいのか、どのくらい出力を上げると聞きやすくなるのか、どの程度雑音を抑える必要があるのか・・・。

管理医療機器である『補聴器』は、一人一人のニーズに応えられるよう使用する人に合わせて調整できる機能が搭載されています。

一方、音響機器である『集音器』は音量調節等の機能が搭載されている製品が多く自分の耳に合わせて繰り返し調整を行う製品ではないのです。

④販売方法の違い

 管理医療機器であり、使用する人に合わせて調整していく『補聴器』は、買って終わりではありません。販売も補聴器専門店や眼鏡店のコーナーなどでの対面販売が基本となっています。購入する際には、カウンセリングや聞こえのチェックを行い、聴力や聞こえの状態に合わせて補聴器のフィッティングを行います。また、購入した後も日常生活の中での聞こえの状況に合わせて、購入店で調整やメンテナンスを行うことにより自分に合った補聴器に仕上がっていきます。一方、管理医療機器ではない『集音器』は、通信販売や一般の電機店で購入することが可能ですがその後自分の耳に合わせて繰り返し調整を行うことは出来ません。